平成23年草加市議会2月定例会 2月28日(月)
一般質問要旨(抜粋)
公明党草加市議団団長 大久保和敏
■ 質問項目
- 市長の政治理念について
- 不透明な歳入見通しへの対応について
- 子ども手当てへの対応について
- 国民年金の加入状況について
- 公共事業の進捗状況について
- 「今様・草加宿」事業の取り組みについて
- 草加市総合振興基本計画と市長のマニフェストについて
- 議員からの問題提起を取りまとめるシステムについて
- 中期基本計画の進捗状況について
- 行政評価システムの導入について
- 公会計制度の導入について
- 公共施設の使用料の見直しについて
- (仮称)小児夜間救急センター及び(仮称)救急ステーションの運営方法について
- ドクターヘリの活用について
- 子宮頚がん、ヒブ、小児用肺炎球菌ワクチン接種の補助について
- がん検診率アップの施策について
- 小中学校耐震化の進捗状況について
- 公共施設の耐震化について
- 小中学校の暑さ対策について
- 学校への太陽光発電の設置について
- 草加市2 1児童クラブの状況について
- 「放課後子ども教室」の全校実施について
- 低所得世帯の受験生への奨学金について
- 学力・体力向上への取り組みについて
- いじめ対策について
- 雇用のミスマッチ解消について
- 観光振興策について
- 商業振興条例の制定について
- 草加駅東側地区防災広場の整備について
- 地デジ対策について
- 市役所職員の人材育成について
- ボランティア活動の啓発について
- 議会制民主主義、二元代表制について
■ 質問要旨
市長の政治理念について
市長としてどのような政策の基本理念を掲げて市政を推進していこうとしているのか。
政策とは何よりも、市民のためのもの、市民が楽しく、安心して暮らせるまちをつくるためのものと考えている。政策を立案するに当たっては、市民の皆様、議員の皆様と開かれた議論を重ねながら決めていくべきであると考えている。開かれた議論による市民のための市政ということを政策の基本理念として、今後も市政運営に当たってまいりたい。
市民にわかりやすぐワンフレーズで表す言葉などがあるか。
私は、市民のための市政運営が行われていない草加市の状況に危機感を抱き、市長選に立候補し、市長の職を務めることとなりました。このような基本理念を、皆様にわかりやすくワンフレーズで表す言葉としては、「信頼される市政」という言葉が、市民の皆様に最もわかりやすいと考える。
不透明な歳入見通しへの対応について
平成23年度の国家予算がどのようになるのか現時点では、極めて不透明でありますので、草加市としてどのような対応を図っているのかをお伺い致します。
国の平成23年度予算との関連については、地方財政計画等で示されたものを中心に、歳入、歳出予算に数多く関連するものがある。国の予算関連法案の動向によっては、子ども手当てなど国からの交付金を基本とする地方の予算執行上の影響は避けられないものと予想されることから、埼玉県を通じ、国の動向について情報収集に努めているところ。
子ども手当てへの対応について
草加市としては、子ども手当に対してどのように対応をしていくのか。
子ども手当の地方負担につきまして、平成23年度予算へ計上させていただいたが、限られた財源を草加市が真に必要とする新たな子育て環境の整備に投入できるよう、子ども手当の地方負担の廃止を国へ働きかけていく。
また、国の予算が通らなかった場合は旧来の児童手当制度が適用されると思われるが、その対応の仕方と予算の対応方はどうなるのか。
平成23年度子ども手当の当初予算は、58億9,995万2千円。また、旧来の児童手当制度が適用される場合の草加市の予算は、約18億8千万円と考えられ、併せて新たなシステム構築と予算の組み替えが必要となる。
国民年金の加入状況について
草加市民の国民年金の加入者数とここ数年の推移はどのようになっているのか、また、厳しい経済状況の中で納付状況はどのようになっているのか。
越谷年金事務所に確認しましたところ、平成19年度においての加入者数は、39,718人で納付率は、55.8%。平成20年度においての加入者数は、39,080人で納付率は、54.1%。平成21年度においての加入者数は、38,390人で納付率は、51.3%と伺っている。
国民年金が納付困難な方に対する免除の基準はどのようになっているか、また、市内で対象者はどれくらいいらっしゃるか。
申請免除の審査を行うにあたり、所得の審査を行う。所得審査の対象となる方の前年の所得が、全額免除では57万円以下、4分の3免除では78万円以下、半額免除では118万円以下、4分の1免除では、158万円以下となっている。なお、扶養親族等があればその人数により一定額が加算される。また、越谷年金事務所に確認したところ、草加市の免除を受けている方は、平成21年度末で6,112人と伺っている。なお、生活保護、障害年金を受給されている方が対象となる法定免除を受けている方は、平成21年度末においては1,286人と伺っている。
国民年金の受給者数の推移と一人当たりの平均受給額について伺う。
草加市における平成19年度、平成20年度、平成21年度の各年度末において国民年金を受給された方の人数は、平成19年度においては、38,014人。平成20年度においては、40,611人。平成21年度においては、42,508人が受給されており、一人当たりの平均受給額については、平成21年度の実績で639,205円となっている。
公共事業の進捗状況及び市内業者の育成について
綾瀬川に架かる手代橋に人道橋を併設することの、進捗状況と今後の見通しについて。
手代橋人道橋につきましては、今後、予備設計費(800万円)を計上し、江戸川河川事務所から示されました、諸条件(現手代橋への影響、河床洗掘等の確認、現在の堤防は極力掘削しない等)を満たすべく検討をしてまいりたい。
松原大橋の歩道の段差について
松原大橋の歩道の段差につきましては、橋の構造及び車道の幅員等について、警察及び関係機関と協議し、歩行者の安全を確保してまいりたい。
松原大橋の拡幅のための架け替えについて
現在の橋を拡幅することは、構造的に難しく、また、新たに架け替える方法では、現在の橋よりも高くなることから、前後の既設道路との摺り付けに支障が生じることから、困難な状況となっている。
市内の建設関係業者の状況について、ここ数年の各ランクの登録業者数と発注金額の推移について。
ここ数年における市内建設業者のランク毎の登録者数は、草加市建設工事等入札参加資格者名簿に登録している市内土木業者は、平成19年度がAランク12者、Bランク11者、Cランク31者の計54者。平成20年度がAランク12者、Bランク11者、Cランク33者の計56者。平成21年度がAランク11者、Bランク13者、Cランク26者の計50者。平成22年度がAランク11者、Bランク13者、Cランク28者の計52者です。市内業者への全工種における発注金額の合計は、一般会計ベースで平成19年度が約31億4千万円。平成20年度が約37億5千万円。平成21年度が約27億5,500万円となっている。
市内業者育成の観点から最低制限価格を試行的に取り入れているようだが、今後の見通しについて伺う。
昨今の厳しい経済状況の中、市内建設業者の経営や建設業に携わる方々の労働条件が悪化するのを防ぐとともに、市発注工事の、より一層の品質の向上を確保するため、平成2 2年8月1 7日以降に公告する入札から、最低制限価格を試行導入したところ。今後も、景気の状況や落札率の推移等を見る中で、適切な入札・契約制度となるよう努めてまいりたい。
「今様・草加宿」事業の取り組みについて
「今様・草加宿」事業の今後の取り組みについて。
「今様・草加宿」事業については、かつて宿場のあった旧町地区から草加松原に至るルートを草加市の都市再生軸として、歴史や文化を活かした個性と活気あふれる草加のシンボルゾーンとしての再生を目指し、事業を推進している。草加のまちをにぎわいと活気のあるまちにしていくためには、「今様・草加宿」事業は重要な取り組みであると考えており、今後は、綾瀬川左岸地区では地域の核となる拠点づくり、旧町地区では旧道の整備を中心とした魅力的なまちなみづくりを着実に進める。
草加市総合振興基本計画と市長のマニフェストについて
市長選挙における公約マニフェストの実現に向け、草加市として従来から進め、今後、進めようとしている事業と、どのように整合陛を図りなから実現していくのかをお伺いしたい。
草加市総合振興計画基本構想における後期基本計画では、「サービスの充実」と「健全な財政運営」を掲げ、基本構想の理念である「快適都市」の実現にとって特に重要だと考える施策の中で、「医療」「教育」「活力」「自治」の4分野を重点目標と位置付けているところ。「教育」の分野は、安心して子育てできる草加を実現することや子どもたちが安全で安心して学べる環境づくりがあり、ここに私のマニフェストがあてはまる。また、「活力」の分野に高年者、障がい者の方が安心して暮らせるまちづくり及び、このまちで暮らしていきたいと思っていただけるための都市基盤整備、産業振興が位置付けられる。さらに、「医療」に医療体制の充実が位置付けられている。こうした取組を進めながら、「自治」の充実を図ってまいりたい。このように、草加市総合振興計画基本構想と整合性を図りながら市政運営に取り組んでいく。
議員からの問題提起を取りまとめるシステムについて
市民要望を後ろ盾とした議員からの問題提起や提案と、行政の継続性との兼ね合いに対してどのように整合を図るのか。草加市にそのようなシステムがあるのか、ないならば構築しておくべきではないか。
議員の皆様からいただいたご提案等については、総合振興計画とそれに基づく基本構想、基本計画及び関係する各分野の諸計画との整合性と、財政状況等を総合的に勘案し、計画的に対応を図っている。ご提案に対する対応について統一的なシステムはないが、議会の一般質問でいただいた政策提案や要望事項については、総合政策部でとりまとめ、将来における取組の予定や実施の問題点、課題を整理している。統一的なシステムの構築については、これまでの対応状況を整理し課題を抽出しつつ、その必要性について研究を進めてまいりたい。
中期基本計画の進捗状況について
中期基本計画の成果はどうだったのか、それぞれの目標は達成されたのかどうか。未達成のものにはどのようなものかあるか。理由も併せて説明願う。
中期基本計画の最終年度である平成22年度については、現在第3四半期の達成状況を集計しているところ。集計状況から判断すると、197指標のうち130指標程度が達成できるものと予測をしている。社会状況の変化等により達成が困難なものもある。一例をあげれば、小・中学校をはじめとした市内ビオトープ整備という指標につきましては、学校の統廃合や建て替えに伴いビオトープが減少したことにより、達成が困難となっている。こうした指標については、施策の効果をより適切に把握できるよう、後期基本計画において指標の見直しを行っている。一つでも多くの指標がしっかりと達成できるよう取り組むとともに、達成できなかった指標について、その原因や今後の対応策を検討していく。
中期基本計画の財政フレームと現状の結果について
中期基本計画で示した財政フレームは、市税、交付税・交付金など5年間の総額で2,436億4,400万円を見積もっていた。これは、景気の低迷、国の財政赤字の拡大に伴う交付税や補助金の削減など、将来の財政見通しに明るい見通しが見られないことから、かなり厳しく予測をしたもの。これに対し、実際の財政の状況は、平成18年度から平成22年度の5年間の総額で3,012億7,800万円。中期基本計画の財政フレームより576億3,400万円の増額でした。これは、繰越金や諸収入などの不確定な財源が予測よりも増加したこと、さらに学校校舎耐震化や臨時財政対策債などにより市債借入が増加したことなどが要因にあげられます。少子高齢化の促進、国の財政赤字の増加などから5年後の地方財政を見通すことは非常に困難だが、地方財政の状況はさらに厳しくなるものと見込み、後期基本計画の財政フレームでは中期基本計画の予算総額よりも少ない2,750億円と見込んでいる。
「必要な事業を見極め、重点的に財源を投入していく」とされているが、これには何を判断基準にしていくのか。
第三次草加市総合振興計画基本構想の将来像である「快適都市」の実現に向けて、後期基本計画の計画期間の5年間においては、「医療」、「教育」、「活力」、「自治」の4つの重点目標を掲げている。平成2 3年度の予算編成においては、「命を守る」、「未来を担う次世代を育てる」、「まちの魅力を高める」を3つの柱として、重点的に予算編成を行った。 今後、しばらくの間、基本的には同様の考え方を継続していく必要があると考える。特に、市民の生命や財産にかかわることや将来の投資のために必要なことについては、一定の財源を確保していく必要があることから、社会状況や財政状況に応じて、必要な事業に効果的な財源配分を行っていく。
行政評価システムの導入について
現在まで進めてきた事務事業評価の内容と成果、どのように活用されているのか
これまで進めてきた事務事業評価は、事業の執行面と成果について、当初設定した目標の達成度を四半期又は年間でとらえ、執行面や成果面をABCのランク付けで評価を行うもので、執行・成果計画を達成するべく、次期次年度へ向け課題を整理し、事務の軌道修正や、より効果的な手法を検討し、事務改善を導くための一つのツールとして活用することで、一定の事務事業の整理・統合を図ってきた。
これまでの事務事業評価制度はすでにある事業を評価するものであり、これから行う事業の開始段階で必要なものかどうかを判断する行政評価システムを今こそ確立すべきと思うが、見解を伺う。
現行の事務事業評価制度は、事業実施後に目標値が達成できたかどうかを評価し、その後の実施に活かしていくためのもの。 理想的なかたちとしては、草加の将来像である「快適都市」の快適性について定量化を行い、その判断となる指標を達成するために必要な施策を組み立て、一定のサイクルをもって評価・判断をしたうえで、施策を実現するための事業選択を行っていくべき。ご提案いただいたように、今後は、各施策の目標を達成できるように、前年度の達成伏況を踏まえて、課題を整理し、事務事業の開始前に施策における優先度を見極めたうえで、本当に必要かどうか、また、実施方法が適切かどうかを判断するためのシステムの構築を検討していく。
公会計制度の導入について
市民に公言した施政方針の趣旨に即した公会計制度の本格的導入について、市長の見解如何。
財務諸表については、単式簿記では見えなかった借入金残高や行政コストを明確にし、市民のニーズを踏まえた形での詳細な分析のほか、必要な説明、解釈等を加えることで、市民の皆さまに分かりやすく役立つ情報を提供するべく取り組んできた。ご提案の内容については、非常に重要な点てあると認識しており、今後はさらに行政コストと住民負担の関係、税金や借金等の財源とその使途について明確にして、草加市の今後の財政運営や事務事業の見直しなどの行財政改革にも反映できるよう努める。
公共施設の使用料の見直しについて
公共施設の使用料等の見直しについて、受益者負担に関する基本的認識と基準など、どのような観点で「検証」を進めようとしているのか。
公共施設の使用料等の見直しに向け、現在、各施設の運営コストや他の自治体における使用料の積算基準の調査を行っている。使用料等を見直すに当たっては、コストの算定方法、減免取扱の適正化、さらに、利用者にご負担をいただく割合の見直し等が、重要な要素であると認識している。管理・運営コストだけでなく、建設コストも含めるのか、また、利用者の負担率や減免基準をどのようにするのかなど、受益と負担の適正化に向けて、さまざまな観点から検証していく。
(仮称)小児夜間救急センター及び(仮称)救急ステーションの運営方法について
施政方針では、市立病院敷地内に(仮称)新医療センターを建設して、(仮称)小児夜間救急センターの運営と(仮称)救急ステーションの設置とされているが、運営体制など内容について伺う。
(仮称)小児夜間救急センターは、小児診療に特化した夜間急患診療所として、市立病院敷地内に移転を予定しているもの。一次救急医療の(仮称)小児夜間救急センターと、二次救急医療の草加市立病院との役割分担を行い、運営については引き続き草加八潮医師会に委託し、運営体制等については小児医療を専門とする医師を配置する方向で草加八潮医師会と調整をすすめていく。(仮称)救急ステーションの運営については、現在7台の救急車を運用しているが、効果的な配置を総合的に判断し7隊のうち1隊を当直勤務体制として業務を行っている。また、管轄区域を設け通常出動の他、将来的にはドククーカーの運用も視野に入れ、救急体制を構築してまいりたい。
ドクターヘリの活用について
県の事業でドクターヘリが365日24時間体制になり草加市内でも離発着所が6か所になりましたが、ドクターヘリの要請など草加市との連携はどのようになっているか、また、実際に搬送した事例はあるのか。
埼玉県ドクターヘリの要請については、傷病者発生場所から現場救急隊長または情報指令係員の判断で、直接ドククーヘリの要請を行う。草加市との連携については、模擬傷病者を想定してのシミュレーション訓練を行ったほか、埼玉医科大学医療センターで定期的に行われている事例検討会など、救急救命士を中心に積極的に参加しているところ。また、草加市内での搬送事例については、平成20年10月に発生した、一般負傷の傷病者を搬送した事例1件です。
子宮頚がん、ヒブ、小児用肺炎球菌ワクチン接種の補助について
子宮頚がんワクチン、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン接種の補助について、具体的な実施方法は。対象年齢、補助金内容、積算根拠について説明願う。
子宮頚がんワクチン、ヒブフクチン、小児用肺炎球菌ワクチンについては、次の対象者で、接種を希望される方に対して、無料でワクチン接種を実施するもの。接種対象者は、
@子宮頚がんワクチン 中学1年生から高校1年生相当の女子
Aヒブワクチン 生後2か月から5歳未満の乳幼児
B小児用肺炎球菌ワクチン 生後2か月から5歳未満の乳幼児
補助金内容としては、接種を受けた方に要した経費は全額公費負担とし、国から補助対象経費の90%の2分の1相当が補助金として見込まれている。積算根拠としては、予診票などの印刷に要する経費、通知等発送に要する経費、医療機関への委託に要する経費など、全体では3億610万6千円を計上した。
がん検診率アップの施策について
全体的ながんの検診率はどうなっているのか。検診率アップに向けた活動はどのようにしているのか。
A:平成23年1月末時点の見込み数値は、胃がん検診の受診率は1.8%、大腸がん検診の受診率は2.3%、乳がん検診の受診率は一般分3.5%、女性のための乳がん検診分32.2%、肺がん検診の受診率は8.5%、子宮がん検診の受診率は一般分2.4%、女性のための子宮がん検診分27.2%という状況。受診率向上に向けた取り組みとして、市の広報、ホームページに加え、@がん検診等の実施の周知案内を特定健診や後期高齢者健診の案内に同封、A申込ハガキを公共施設に配置、B乳がん検診受診者に子宮がん検診を案内、C成人の集いにて受診勧奨のチラシ配布などを行っている。
小中学校耐震化の進捗状況について
小中学校の耐震化について、現在の状況と23年度の計画はどのようになっているのか。
校舎と屋内運動場の耐震化について、平成22年度は、小学校7校10棟、中学校7校9棟の耐震補強工事を実施した。平成23年度については、補助金等との関係で、平成22年度補正予算として、小学校6校6棟、中学校4校6棟の耐震補強工事を行う予定です。
公共施設の耐震化について
市内には庁舎を始め多くの公共施設が耐震工事をしなければならない建築物がある。これらの施設は耐震工事が良いのか、建て替えをするのか、公共施設配置計画も併せて、根本的な議論が必要な時がきている。それらを踏まえたうえで、基本的な計画を立てる必要があると思うが、見解を問う。
学校施設を始めとして多くの施設が昭和40年から50年代にかけて建設され、老朽化が進んでいる。新たな施設の建設及び既存施設の建て替えについては、税の増収が期待できない市の財政状況を考えると、必要な事業費を確保することが困難な伏況は今後も続くものと想定。こうしたことから、新たな配置計画については、後期基本計画における施策の目標を実現するために、必要な機能を適正に配置するという考え方のもと、全庁的に収集した基礎データに基づいて策定した。その中で、今後5年間における計画的な機能更新の考え方を示す予定。平成25年度には、市民ニーズや社会経済伏況の変化に応じて、必要とする機能の見直しなどを行いたい。
小中学校の暑さ対策について
小中学校の暑さ対策はどのように考えているのか。
マニフェストでは、普通教室にエアコンの設置を掲げているが、多くの費用がかかるので、栄小学校の建替えなど大きな事業の進捗状況をみる中で、在任期間中に着手したいと考えている。23年度についは、小学校と中学校の全ての普通教室に、扇風機を設置する予算を計上している。
学校への太陽光発電の設置について
文部科学省も「スクール・ニューディール構想」の一貫としても、学校への太陽光発電の導入を推進しており、栄小学校をはじめとした今後の教育施設への太陽光発電の設置について、見解を問う。
太陽光発電の導入については、環境に配慮した教育施設づくりとして、松原小学校に設置したが、今後も校舎等の建て替えに合わせて、積極的に導入してまいりたい。
草加市21児童クラブの状況について
草加市の21児童クラブ施設の面積、定員、充当予算について、5年間の状況を伺いたい。
草加市の全児童クラブにおける平成19年度から平成23年度にかけての5年間の推移については、面積は、平成19年度2,567平方メートルで、平成23年度3,498平方メートルとなる見込み。定員については、平成19年度1,420人、平成23年度1.635人と見込んでいる。また、放課後児童健全育成事業費は、平成19年度2億690万2千円、平成23年度は2億8,260万円を計上している。
「放課後子ども教室」の全校実施について
すべての小学校において「放課後子ども教室」を開催してほしいとの声も多く聞くが、今後の事業の見通しを含め、考えを伺う。
放課後子ども教室については、来年度、新たに3校の開催を予定している。今後も引き続き、学校・保護者・地域の皆様の協力を得て、全ての小学校において開催できるよう事業を推進していく。将来的には、全小学校において平日毎日の開催を目指したいと考えている。
低所得世帯の受験生への奨学金について
今ある奨学金制度と合わせて、草加市でも低所得世帯の受験生を対象に、学習塾代や受験費用を無利子で貸し付ける制度も、草加市の将来を担う世代の育成には必要なことと思うがどうか。
東京都では、生活安定化総合対策事業のチャレンジ支援貸付事業を実施されているが、草加市で同様の事業を行うことができるかは、検討が必要である。
学力・体力向上への取り組みについて
学力テストについて「市内数校で実施」とあるが、その状況と今後は全校に拡大するとのことだが、どのように進めるのか。そのことが学力の向上になると考えているようだが、学力の向上にどのように取り組んできたのか伺う。
「全国学力・学習状況調査」に関しては、今年度、抽出調査対象校のみの実施でしたが、数校のみのデータでは市全体の傾向等が把握できない。そのため、来年度は小中全校において、学力・学習状況調査を実施することにより、実態を把握・分析し、教育の成果と課題を検証して、その改善を図ることを計画している。学力向上については、ステップアッププランの学力向上対策や草加っ子寺子屋等に取り組んできた。また、県の学習状況調査等の調査結果から児童生徒の実態を把握し、全小中学校で「学力向上プラン」を策定し、日々の授業の工夫改善に取り組んでいるところ。
学校教育の目的は学力向上だけではない。全国的に衰退の方向が報道される児童生徒の体力について、草加市の児童生徒はどのようになっているか。
平成22年度の新体力テストの集計結果によると、草加市内の小中学校児童生徒の体力の現状レベルは、緩やかな下降を示し、課題が残る結果となった。主な課題としましては、小中学校とも柔軟性や全身持久力が劣っている。今後、草加市教育委員会としては、各小中学校に配布した新体力テスト結果シート等を基に、自校の体力の状況を把握させるとともに体力向上策に取り組むことにより、体力向上を図っていく。
いじめ対策について
校内でのいじめや不登校は大丈夫なのか、現状認識と対策を伺う。
いじめや不登校は、小中学校とも前年度と比べて減少傾向にあるが、大きな課題であると認識している。不登校の対策としては、市内11校にさわやか相談員を配置し、小中学校の児童生徒の相談を受ける体制を整えている。また、臨床心理士やスクールカウンセラーを配置し、相談体制を整えている。いじめの対策としては、「早期発見・早期対応のためのQ&A」などの各種リーフレットを作成、配布し、いじめの早期発見や未然防止に努めている。また、草加市の全児童生徒に「『草加っ子』元気カード」を配布し、いじめ電話相談を受けたり、教育支援室に臨床心理士を配置し相談活動を行うなど支援体制を整えている。さらに学級支援員、学校支援指導員等を派遣することにより、いじめの早期発見・未然防止や不登校児童生徒の教室復帰を支援している。
雇用のミスマッチ解消について
雇用のミスマッチ解消に向け、人材不足に悩む市内中小企業と就職活動中の学生の出会いの機会を提供することについて、どう考えるか。
草加市では、草加地区雇用対策協議会と共催で近隣の高校の就職担当者に対して情報交換会を開催するとともに、地元企業と求職者との就職面接会を開催し、地元企業の人材確保と雇用促進を図っている。今後も、草加地区雇用対策協議会、ハローワーク草加、商工会議所、また、地元の高校・大学就職担当と連携し、若年求職者の雇用促進につながるよう提案してまいりたい。
観光振興策について
観光基本計画において具体的にはどのような事業を予定しているか。
観光基本計画では、本市の地場産業であるせんべい、皮革、ゆかたや、松並木をはじめとする憩いの空間、東福寺などの歴史的、文化的財産、今なお残る町屋建築などの観光資源を多くの方に知って、見ていただくための事業を展開すること。ものづくりの体験や、ウォーキングなど、体験や交流を行う体験型の観光資源を創出すること。観光を振興するうえで、ボランティアガイドなど人材の育成や充実、商店会などが実施するイベントの企画の充実等を図ること。隠れた名所や、広く知られていない活動など、新たな観光資源に関するコンテストや、これまでの活動にひと工夫加え観光資源となるよう支援を行うこと。効果的に情報を発信できるよう、インターネットの活用や、フィルムコミッションの導入を行うこと。以上の5点を基本的な方針として様々な事業を展開していく予定。
当面の観光事業としてどのようなことを考えているのか。
平成23年度では、企業の見学、工場見学、体験農業等の体験観光を実施するための施設の改修、案内版の設置、グルメ決定戦などのイベント等における新たな観光客誘致活動の実施、さらには特産品や郷土料理等の新たな商品開発活動や販路拡大活動の実施を行う。また、神明1丁目の古民家を改修して設置するお休み処草加宿神明庵を4月中旬から開設する。本年5月に独協大学で「はやぶさ」の展示に合わせ、若田さんとともに、草加せんべい、さらには、観光パンフレットの配布や伝統産業展示室のご案内、さらには松並木への誘導など、一歩足を伸ばして草加の観光資源を巡っていただけるよう取組を実施したい。
商業振興条例の制定について
商業振興条例の内容と制定時期について
商業振興条例の内容については、商業者、商店会、商工団体等及び行政が相互に連携し、市民の理解と協力の下に商店街がにぎわいと交流の場となるよう取組むことを定めている。具体的には、大型店や商業者、商店会等の関係団体、行政、市民の責務を定め、商店会は、事業者と共に商店街に係る関係者の参加のもと、地域活性化会議を設置し、地域商店会と大規模店が連携・協力して地域商業の活性化、コミュニティ活動、地域貢献活動などについて検討することを求め、地域商業の振興等を図るもの。制定時期については、本年6月定例会後を予定している。
草加駅東側地区防災広場の整備について
草加駅東側地区防災広場整備の概要について
この防災広場は、コンフオール草加計画保留地を、災害時における一時避難地として活用するために整備を行うもの。平常時においては、地域のにぎわいや、いこいの場となるよう、多目的な活用にも配慮したものを予定している。整備計画については、平成23年度からの3年間で、すでに土地開発公社で所有している用地取得を行い、その後、工事を行う予定。
地デジ対策について
地デジ化まで5ヵ月だが、草加市内の状況はどのようになっているのか。
総務省では、県別のデータを公表し、市町村別のデータは公表していない。埼玉県の普及率は、全国90.3%に対し、88.9%と伺っている。また、受信障害については、平成22年9月末現在、草加市の受信障害対策共聴施設は74施設あり、そのうち48施設64.9%のデジタル化か終了している。未対策の施設については、平成22年度末までに4施設、23年度の地デジ化移行までに残り22施設のデジタル化の対応が終了する予定と聞いている。
草加市としての地デジ対策の対応と切り替え日までどのような対策をしていくのか。
草加市の市民税非課税世帯に対する地デジチューナーの無償給付の対策については、広報そうか、各サービスセンター、コミュニティセンター、文化センター等におけるポスター掲示及び各窓口で申込書を配布し、周知に努めているところ。今後の対応としては、6月発行の「エコ草加」による周知、デジサポ埼玉による臨時相談窓口を、6月から地デジ化移行後の8月中旬まで、市役所及び市内3か所程度で開設する予定。さらに、高齢者世帯に対するきめ細かな対応として戸別訪問等を検討していると聞いている。市としても総務省及びデジサポ埼玉に協力し、円滑な移行に向け、引き続き支援していく。
市役所職員の人材育成について
市長としてどのように役所の人材を生かしていかれるのか、決意の程を伺う。
職員のこれまでの経験、能力、資質、希望などを勘案しながら、職員が持つ力を最限に発揮できるよう、適材適所の人事配置に努める。
草加市の今後の定年退職予定者数はどのように推移するのか。
平成23年度が59人、平成24年度54人、平成25年度50人、平成26年度55人、平成27年度52人で、5年間の合計で270人となる。
人材育成の観点から、職員研修についてどのように考えているのか。
厳しい経済情勢が市民の暮らしに深刻な影響を及ぼす状況で、市民生活を守るために自治体が果たす役割はますます重要になっている。こうした難局を乗り越えてくためにも、市民との協働の実現、全体の奉仕者としての意識やコスト意識を、より一層持った職員の育成に力を注ぎ、階層別研修を始めとするさまざまな研修を実施して、職員一人ひとりの資質の向上に努めてまいりたい。
ボランティア活動の啓発について
市内のボランティア活動に対して、広報誌に掲載するなど宣揚することも行政としては必要と思うが、見解を問う。
草加市は市民活動が大変活発であり、市内では地域活動やボランティア活動、テーマによる市民活動など、様々な分野で大変多くの市民の皆様が積極的な取り組みを行なっている。協働・連携の取組を進めるうえでは、市民の皆さまの主体的なまちづくり活動に、更に多くの市民が参画し、まち全体が活性化していくことが重要。今後は、広報そうかや、市のホームページなどで団体活動を紹介し、市民の皆様への周知・PRに努めてまいりたい。
議会制民主主義、二元代表制について
議会制民主主義、二元代表制の中で、市民の皆様に対して、税金をお預かりし、それを執行する最高責任者としての決意を伺いたい。
市政の運営は公選の議会と市長が、二元代表制のもと互いに緊張関係を保ちながら行っていくということが、憲法や地方自治法において定められているところ。市政運営は、市民の皆様からお預かりしている税の配分を決めること、市民の皆様に新たな権利を付与し、義務を課す条例等を決めることなど、市民生活に大きな影響を与えるので、その手続きの公平性、公正性を確保するためにこうした制度が定められているものと認識している。そのため、市政の執行における最高責任者である市長としては、議会と活発な、開かれた議論を行い、様々な意見や提案を聞く中で、市民の多様な立場に配慮した政策立案や市政運営を行うとともに、市政の透明性を高め、信頼される市政、市民の皆様のための市政を確立してまいりたいと考えている。